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「日本は大変いい地政学的な位置」 菅首相、成長に期待(産経新聞)

【菅首相会見詳報】(4)

 --米軍普天間飛行場の移設問題だが、日米合意の内容については地元の了承は全くとれていない状態だ。これに対して、これからどのように具体的に対応するのか。近いうちに首相自身が沖縄を訪問する考えはあるか。場合によっては首相自身が国外、県外の可能性を検討する可能性はあるのか

 「日米合意というのは、政府と政府、もっと言えば国と国の合意であります。私はそういう合意について特に民主党としての鳩山首相のもとで合意が形成されたわけでありますから、それはしっかりと踏まえていくことが、それを引き継いだ私たちの責任であろうと思っています。と同時に、先ほど申し上げましたように、この日米合意の中でも、あるいはその後の閣議決定をした文書の中でも、沖縄の負担の軽減ということは重要視をしているわけでありますから、そのことも含めてしっかりとした取り組みが必要だと思っております」

 「沖縄に出かけるかというご質問ですが、もちろんこれまでも私も何度も沖縄に出かけ、あるいはいくつかの基地も見、いろいろな場所も見たことがあります。当然必要になれば出かけていく、あるいは関係者とお話をすることもあると思いますが、いま今日の段階でですね、いつどうするということは、まだ申し上げるには早すぎるかなと。必要な準備があれば必要な準備をしておかなければなりませんし、今日の段階で断定的にいつどうするということを申し上げるのは、まだ少し、そこまでは申し上げにくいというのが私の気持ちであります」

 --2点うかがう。菅氏は財政健全化を重視しているが、平成8年の橋本内閣のときに行財政改革を優先した結果、景気の芽を摘んでしまうかたちになったことがあるが、今回景気回復と財政健全化をどういうふうに両立させていこうと考えているか。もう一つは農業の問題だが、1兆円の直接支払い、戸別所得補償というのは菅首相が野党の代表だったときに再生プランの中で大きく打ち出してきたが、今回首相として1兆円の戸別所得補償について、どういうかたちでマニフェストに書いていきたいと現段階で思っているか」

 「平成8年、橋本内閣、確かこのときは、8年でしたか。8年だと、私もその内閣にいたかもしれませんが、その後の参院選などでいろいろと税の議論があったのはよく覚えております。今日代表質問の、立候補のあいさつでも申し上げましたように、私は景気を含む経済と、そして財政と社会保障。強い経済、強い財政、強い社会保障ということを一体的に実現していくんだと、こう申し上げております」

 「橋本内閣で必ずしも、そのことが実現しなかったのには、私はそれなりに失敗した、できなかった理由があると思っていますので。それをここで縷々(るる)述べる余裕はありませんけれども、必要ならこれまでの私のいろいろなところで申し上げていることをごらんいただきたいと思いますが、そうした経済の成長、そして財政の再建、そして安心できる社会保障、これを一体として実現する。そういう方向性を順次示していきたいと、こう考えております」

 「農業の所得補償、1兆円という数字も挙げていただきました。私も民主党の農業再生本部長なども務めて、そうした議論の中から直接支払制度、そういったものがある意味で議論として浮かび上がって政策としてマニフェスト(政権公約)に盛り込まれたということはその通りであります。いま初年度の実行を踏まえた中で、来年以降どうするかという議論がそれぞれの部署で始まっておりますので、そうした議論を踏まえながら、まさに経済全体、財政全体のことも踏まえながら、必要な段階で結論を出すことになるだろうと、こう思っています」

 --これまでの20年、誤った経済財政政策があったために経済の低迷と財政赤字を招いたという話をしているが、菅氏が首相になって今までとは違う正しい政策をできるという自信の根拠を国民に語りかけてほしい。2点目は、今年の予算が改革の第一歩になるといったが、財務相のときに国債は今年度44・3兆円以下にしたいという話をしていたが、これは首相になっても変わらないか

 「20年間のこれまでの、特に経済の低迷、あるいは財政の悪化については、いろいろなところで申し上げておりますが、あえて繰り返すということであれば、簡単に申し上げますが、いわゆるある段階で1960年代は公共投資が非常に当面の経済効果、いわゆる乗数効果といわれるようなことだけではなくて、生産性を大きく上げていく効果があったんです。しかし、それが80年代後半からはですね、当面の工事費による経済効果は、それは当然ありますけれども、例えば飛行場を各県に作るなんてことをやってもですね、トータルとしてまともなハブ空港を一つも作らないでですね、全部インチョン(韓国)にハブを持っていかれている。間違った公共投資が、私は極めて多かった。それが私の言う第一の道の間違いです」

 「そして小泉・竹中政権のときに、すでにデフレ状態にある、いわゆる需要が足らない中で供給政策をやった。デフレ政策をやったんです。つまりは、あのカルロス・ゴーンさんが日産の従業員を大リストラして、確かに日産は飛躍的に業績が上昇しました。しかし、売り上げが上昇したんじゃないんです。景気が低下したんです。売り上げが、自動車なら倍売れて、利益が倍上がったんじゃないんです。自動車の売り上げは変わらないけれども、経費が下がったんです。もちろん一つの経営者としては大変立派な方です。しかし、それと同じやり方をすべての企業がやれば、日本の経済が建て直ると言ったんです。それが竹中路線です」

 「ということはどういうことか。経費カットのために片っ端からリストラをやる。そして、常勤雇用、常雇いではなくて、どんどん非正規に変えていく。現実に進みました。しかし、そのようなかたちでリストラされた人が、同じぐらい生産性の高い、給料の高いところに移れるんであれば、確かに小泉さん、竹中さんが言ったように、もっと全体の成長があったでしょう。しかし、現実には、かなりの失業率でありましたから、そういうことができない状況で、つまりデフレの状態でデフレ政策をとったために、まさにデフレという状況がこんなに長引いてしまった」

 「この2つの間違いをしっかりとですね、検証して、これまできましたので、そうした間違いをとらないで、需要を拡大する、雇用を拡大する。同じお金の使い方でも雇用、需要、そういうものに焦点をおいて財政出動をしていく。このことが、少なくとも第一の道、第二の道に対して私が第三の道と申し上げている、このやり方がデフレ脱却から経済の成長につながる道だと。もちろんその財源を国債でまかなうのか、税金でまかなうのかという問題もあります」

 「ある学者はマクロ経済学的に見れば、国民がためているお金の中であれば、国債でまかなっても、あるいはそれを税金でトータルとしていただいても、それには差がないという議論もあります。差がないとしても、持続可能性があるかないかという問題はまた別です。

ギリシャの例は、ある意味でもちろんあれは外国が国債を買っていたということもありますが、結局マーケットがそれを信認しなくなったことで、ああした危機が訪れたわけであります。ですから、私はそうした財政運営、経済運営をしっかりとですね、どうすれば、まさに経済的な効果があるものに財政を投入でき、しかもその財源を持続可能なかたちで確保できるのか。その道を間違わなければ、日本はもっと成長軌道に乗る」

 「さらに日本は大変いい地政学的な位置にあります。まさに今やアジアは世界の、まさに発展地域であり、歴史的にももっともすばらしい発展を遂げつつある地域でありまして、その一角に位置している日本は、もちろん発展途上の国と今の日本の状況はいろいろ違いますけれども、少なくとも中国やインドやベトナムや多くの発展を続ける国々と、ある意味で補完関係になることができる。技術的にもいろいろな経済的な構造もありますので、それに対してこれまでの政権は、ややもすれば経済は企業にだけ任せておけばいい。しかも、その企業もですね、ファイナンスといったものについても、なかなか出てこない。縮こまっている」

 「いまや中国に行っても、大きな事業はヨーロッパがドンドンとっているですね。なぜこんなことになったのか。私は小泉内閣時代の政治的な日中関係の経熱政冷とかという、ちょっと言葉が正確であるかどうかあれですが、経済は熱いけども政治は冷たいという言葉が同時ありましたけれども、実は政治が冷たければ経済も決して熱くはならないということをですね、当時の失敗の一つの原因であったと、このように考えております。そういった意味で、少し長くなりましたけれども、過去の失敗をきちっと検証していけば、将来に向かっての成長の道筋は必ず開けると、このように考えております」

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